松田美緒のギリシャ、ポルトガル録音作。2017.4.21発売
大きな話題を集めたCDブック『クレオール・ニッポン』を経て、自身のさらなるルーツ~地中海全域に立ち戻った意欲作!
■情感あふれ成熟した歌声が、古代と現代をうたでリンクさせ新たな世界を幻視し、さらなる高みに登りつめた待望のアテネ、リスボン最新録音作。
■エーゲ海やイオニア海の歌、セファルディ、カーボ・ヴェルデのモルナ、ファド他…ギリシャ、カーボヴェルデの音楽家との信頼関係を軸に、松田美緒にしかできない構成力がここにある。
収録曲
01:ティラ Thira (Mio Matsuda)
02:エラ・キ・エスィ Ela Ki Esi (Elias Georgakis / Dionisis Georgakis)
03:望郷のキス Bejo de Sodade (Beleza) with Ana Firmino(vocal)
04:バトゥック Batuku (Orlando Pantera)
05:きまぐれ Cabeça de vento (Linhares Barbosa/Armando Machado)
06:花嫁と海 La Galana y El Mar (Trad.)※セファルディ民謡 instrumental
07:真珠のモレノ~バルカン・ヴァージョン Moreno De Perola (Mio Matsuda)
08:別離 ~海~ Apoxairetismos (Kostas Mountakis)
09:アンジョ / マナ Andjo/Mana (Trad;Adapted by Jadranka)
10:サイコー Saiko (Gregório Gonçalves;Mio Matsuda) with Dany Silva
11:シキロス Seikilos (Trad)with Spyros Zambelis
■“歌う旅人”としてグローバルな活動を続ける松田美緒。デビュー以来、ファド/大西洋クレオール音楽/ブラジル音楽/中南米諸国と名曲レパートリーを広げながら、足元にある日本の多様な原風景に気づき、祖谷~伊王島~小笠原~ハワイ他に眠るニッポンの歌の記憶を掘りおこした前作『クレオール・ニッポン』(2014アルテスパブリッシング)。昨秋日本テレビでのドキュメンタリー番組放映(『NNNドキュメント16』)、NHKラジオ「すっぴん!」出演、文藝春秋誌「日本を代表する女性120人」選出他で大きな話題を集めた。
■そんな到達点に辿りつきスケール豊かな視点を得たからこそ、松田美緒はクレオールの意味をさらに深化させ、改めて音楽キャリアのルーツでもある地中海や大西洋の港街~ヨーロッパの古層に立ち戻った。とりわけ学生時代にはアマリア・ロドリゲスはもとよりハリス・アレクシーウ/ヤドランカ等に大きな影響を受けただけに、この新作は彼女の音楽的故郷に対する再構築という試みであり、新たな挑戦でもある。選ばれた曲はエーゲ海やイオニア海の歌、セファルディ、カーボ・ヴェルデのモルナ、ファド他…松田美緒にしかできない構成力がここにある。情感あふれ成熟した歌声が、古代と現代をうたでリンクさせ新たな世界を幻視し、さらなる高みに登りつめた待望のアテネ、リスボン最新録音作。『エーラ』はギリシャ語「έλα」(come on)、ポルトガル語「ela」(she)を意味する。
■収録曲は主に地中海全域の歌が中心。エーゲ海サントリーニ島の古代火山をイメージして作った曲(M1)、イオニア海レフカダ島の歌(M2)、カーボ・ヴェルデの音楽モルナ(M3)とサンティアゴ島の歌(M4)、ファド(M5)、セファルディ [スペイン/ポルトガル系ユダヤ人の音楽](M6)、セルフ・カヴァーのバルカン・ヴァージョン(M7)、クレタ島の別れの歌(M8)、故ヤドランカに捧げたカヴァー~とブラジル北東部の歌(M9)など圧巻の内容。螺旋階段で昇るように様々な経験を積み、今その頂にいる松田美緒が音楽的故郷を見渡して感じた風景はあまりにも広大だ。同時に本作は、宿命的に彷徨い移動する漂泊の民~「ディアスポラ」へのオマージュ集ともいえる。
■M3にはアナ・フィルミーノ、M10にはダニー・シルヴァが参加。イスラエルに生まれギリシャ、メキシコ、日本、米国で育ち現在も世界中で活躍する山口亮志もギターを始め弦楽器で全面参加。