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日本の多様な原風景を探し求めて、祖谷、伊王島、小笠原からブラジル、ハワイへ──
うたをめぐる壮大な旅が、いま始まる!
“うたう旅人”松田美緒が日本の知られざる伝承曲に新たな生命を吹き込んだニュー・アルバムと書き下ろしエッセイがひとつになったCDブック。
このCDブックは、ラテン諸国と日本をつなぐ新世代のシンガー、松田美緒が近年取り組んでいるコンサート・プロジェクト「にほんのうた」の成果をかたちにしたもの。
自ら足を運び各地で探し求めた日本の知られざる民謡やブラジル日系移民の歌など14曲を、今回初めてレコーディング。徳島県の山村・祖谷(いや)、隠れキリシタンが住んだ長崎県の伊王島、太平洋の小笠原諸島父島、あるいは福島県の相馬、福岡県の行橋、さらには多くの日本人移民が暮らすハワイやブラジルなどで地元の人々に歌い継がれていた知られざる名曲たち──そこには、遠く海を越えて世界とつながる多様な日本の物語が息づいています。
A5サイズの本には、収録曲の歌詞とともに、私たちが忘れてしまった“うたの記憶”を1曲1曲探して歩いた旅の記録や、その歌を継承してきた人々との出会い、各曲の歴史や背景を、松田美緒自らが書き下ろしたエッセイ14本を収めています。
ブックデザインは雑誌『クウネル(ku:nel)』のアートディレクター有山達也。
参加ミュージシャン
ミュージシャン:松田美緒(vo)、鶴来正基(p)、渡辺亮(per)、沢田穣治(b)、早坂紗知(sax)(プロデュース:松田美緒、宮田茂樹)
CD収録曲目
1 山子歌(秋田県・鹿角)
2 木びき唄(徳島県・祖谷)
3 木負い節(ヨイヤラ節)(祖谷)
4 花摘み歌(長崎県・伊王島)
5 アンゼラスの歌(伊王島)
6 こびとの歌(伊王島)
7 原釜大漁歌い込み(福島県・相馬)
8 トコハイ節(福岡県・行橋)
9 レモングラス(小笠原諸島父島~ミクロネシア)
10 移民節(ブラジル)
11 子牛の名前(ブラジル)
12 五木の子守唄[ブラジル版](熊本県・五木)
13 ホレホレ節(ハワイ)
14 祖谷の草刈り節(祖谷)
クレオール・ニッポンについて
歌手・松田美緒が2012年にスタートしたプロジェクト。日本の農村、海、山の生活の中でかつて歌われていた民謡(徳島、秋田、福島など)から、異文化と混じり合い生まれた「クレオール」的日本語の歌(長崎の隠れキリシタンの島の歌や南洋の島々の歌)、またブラジルやハワイへ移民した人々によって歌われた歌など、独自の視点で選び抜いた多様な日本語の歌をうたい、語る。2014年には現地調査と歌の再構築の成果を『クレオール・ニッポン 歌の記憶を旅する』(アルテス・パブリッシング)というCDブックとして発表し、各界から大きな反響を呼ぶ。2015年、第2回鉄犬ヘテロトピア文学賞特別賞を受賞。2016年、2017年には2年続けて「NNNドキュメント」としてドキュメンタリー番組が日本テレビ系列で全国放映された。日本国内、パラオで撮影された1回目の番組は、坂田記念ジャーナリズム賞グランプリを受賞、2回目はブラジル移民の歌をテーマに、ブラジルで撮影を行い、ギャラクシー賞奨励賞を受賞。2017年6月には世田谷区の生活工房で「クレオールニッポンの旅」と題した展覧会が1ヶ月以上開かれ、フィールドノートや歌との出会いに関連する様々な展示が行われた。これまで日本全国、2013年に韓国で公演。2015年にはNHKBSの「東北Soul」に出演。人々の普遍的な感情と生活が滲んだ数々の歌は、それぞれの歌の世界観に寄り添う音創りによって新たな命を吹き込まれ、聴く人を深い感動にいざなう。